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GLDスピード指数の仕組み:馬場差(トラックバリアント)・着差物理補正と国際クラス平準化ロジック

JRA中央競馬・NAR地方競馬・香港(HKJC)・韓国(KRA)の86.5万走を単一スケールで評価する定量モデル解説

GLDスピード指数の仕組み:馬場差(トラックバリアント)・着差物理補正と国際クラス平準化ロジック
GLD Speed Figures normalize raw finish times across JRA, Hong Kong (HKJC), Korea (KRA), and NAR regional dirt circuits onto a unified quantitative scale.

競馬の出馬表には必ず「走破タイム」が記載されていますが、表面的な時計の速さだけで馬の能力を比較することは、最も危険な落とし穴の一つです。たとえば、香港のシャティン競馬場(芝1200m)で記録された 1:09.03 と、韓国のソウル競馬場(ダート1200m)の深い砂で記録された 1:12.10、そして東京シティ競馬・大井競馬場(ダート1200m)のナイターで記録された 1:12.49 は、コース形態も路盤の摩擦係数も全く異なります。さらに同じ東京競馬場の1600mであっても、クッション値が高い秋の開幕週の芝と、雨を含んだ重馬場の芝では走破時計が約2秒も変化する一方、隣のダートコースでは雨が降って砂が締まることで逆に時計が1秒以上高速化します。

GLDスピード指数(GLD Speed Figures)は、この「走破時計の錯覚」を数学的に解決するために開発されました。JRA中央競馬、NAR地方競馬、香港ジョッキークラブ(HKJC)、韓国馬事会(KRA)の過去865,435走に及ぶ公式データ(GLD Class Par 基準データベース:詳細はクラス別基準タイム&スピード指数統計を参照)に基づき、コースの幾何学構造、日次馬場差(トラックバリアント)、含水率の逆転現象、距離別の着差エネルギー減衰、斤量差をすべて正規化し、競走馬の純粋な走破能力を単一のスケールで数値化します。日本競馬ハブ(/ja)、香港競馬ハブ(/zh)、韓国競馬ハブ(/ko)のどのレースであっても、指数 90 は同じ水準のパフォーマンスを意味します。


1. なぜ単純な走破時計の比較は危険なのか?

レースの最終走破タイムは、以下の4つの要素が複雑に絡み合った結果に過ぎません。

  1. 競走馬自身の純粋な推進力:ゲートからゴールまで馬が発揮した実質的なスピード。
  2. コースの幾何学構造と高低差:コーナーの曲率半径、スパイラルカーブやカント(傾斜)、直線の長さ、そして東京競馬場(高低差2.0m)や中山競馬場(高低差2.2m)の急坂と、大井競馬場やハッピーバレー競馬場のような平坦コースの違い。
  3. 馬場状態(クッション値・含水率)による摩擦変化:芝の根張りとクッション値、およびダート・砂コースの含水率がもたらす接地反発力の変化(馬場状態・含水率スピード補正データ)。
  4. ペース配分(前半EPと上がり3Fのバランス):前半が極端なスローペースの瞬発力勝負だったのか、それとも激しい先行争いによる消耗戦だったのか(展開マップ&EP/LPセクション物理ガイド)。

一般的なファンは、高速馬場や追い風に恵まれただけの「見かけ上の好時計」に飛びつき、過剰人気(アンダレイ)を作り出します。逆に、タフな乾燥ダートや向かい風、外枠の距離ロス(枠順・仮柵バイアス統計)を克服して価値ある時計で走った馬は、表面上のタイムが遅いため不当に軽視され、絶好の妙味(オーバーレイ)を生むのです。


2. 865,435走の実証データベース(GLD Class Par)と国際クラス基準値

GLDスピード指数は主観的な補正を一切排し、以下の4大サーキット優先順位に基づく865,435走の実証データから各コース・距離・クラスの基準タイム(par_time)と基準秒速(par_speed_ms)を算出しています(全データは/ja/stats/class-parsで公開)。

サーキット優先順位競馬場・馬場距離公式クラス区分実証基準タイム (GLD Class Par)基準秒速 (m/s)基準Par GLDサンプル数 (N)
1. JRA中央競馬東京 芝1600mG1 (GI)1:33.6717.08 m/s118133
1. JRA中央競馬東京 芝1600m3勝クラス1:33.9517.03 m/s921,224
1. JRA中央競馬東京 芝1600m1勝クラス1:34.5516.92 m/s765,336
2. 香港 (HKJC)シャティン 芝1200mG1 (GI)1:08.1217.62 m/s11812
2. 香港 (HKJC)シャティン 芝1200m第2班 (Class 2)1:08.7717.45 m/s9044
2. 香港 (HKJC)シャティン 芝1200m第3班 (Class 3)1:09.0317.38 m/s75186
2. 香港 (HKJC)ハッピーバレー 芝1200m第3班 (Class 3)1:09.6217.24 m/s75207
3. 韓国 (KRA)ソウル ダート1200m1等級 (Class 1)1:12.1016.64 m/s9052
3. 韓国 (KRA)ソウル ダート1200m3等級 (Class 3)1:13.3016.37 m/s74230
3. 韓国 (KRA)釜山慶南 ダート1600m1等級 (Class 1)1:38.8016.19 m/s9013
4. NAR地方競馬大井 ダート1200mJpnI1:10.6616.98 m/s11478
4. NAR地方競馬大井 ダート1200mA1級1:12.4916.55 m/s90971
4. NAR地方競馬大井 ダート1200mB1級1:13.4816.33 m/s761,237
4. NAR地方競馬大井 ダート1200mC1級1:14.9816.00 m/s566,376

この表から分かる通り、香港の第2班(シャティン1200m 1:08.77)、韓国の1等級(ソウル1200m 1:12.10)、大井のA1級(大井1200m 1:12.49)、そしてJRAの3勝クラス(基準92)はいずれもGLDスピード指数 90前後にピタリと整合します。そして EQUINOX、DO DEUCE、ROMANTIC WARRIOR、KA YING RISING、FOREVER YOUNG といった世界トップホースは 115〜124 の領域に到達します。


3. 日次四分位馬場差(ITV)と「芝・ダート含水率の逆転現象」

基準タイムの次に重要なのが、その日の馬場の速さを精密に測定する日次四分位馬場差(Inter-Quartile Track Variant: ITV)です。

なぜ単純平均ではなく「四分位トリム平均」なのか?

1日の開催の中には、逃げ馬不在で極端なスローペースになったレースや、逆に怪物級の馬がレコードで独走したレースが混ざります。全レースのタイム差を単純平均すると、わずか1レースの異常値がその日の全出走馬の指数を歪めてしまいます。GLD Racingでは、各レースの実質メンバー強度(Par GLDとRace Powerの比較ガイド)を考慮した上で、上位25%と下位25%の極端な偏差を除外した中央50%(四分位範囲)から真の馬場差を抽出します。さらに開催途中で雨が降った場合は、時間軸に沿った動的スプライン補正を適用します。

芝とダートで時計変化が逆転する物理メカニズム

私たちの馬場状態・ダート含水率スピード補正データ(/ja/stats/going-impact)が示す通り、水分が加わった際の芝と砂(ダート)の物理特性は完全に逆転します。

サーキット・馬場区分馬場状態・含水率レンジ基準タイム比の時計変化秒速シフト (m/s)有利な脚質・バイアス変化
JRA 芝コース良(クッション値 9.5–10.5)0.0秒(標準基準)+0.00 m/s上り3F(ラスト600m)の瞬発力勝負
JRA 芝コース重〜不良(含水率 12%–17%+)+1.4秒〜+2.2秒 掛かる-0.28〜-0.45 m/sパワー型・道悪血統(高OWD)の差し馬
JRA ダート良(乾燥標準ダート)+0.8秒 掛かる-0.18 m/sパサパサの深い砂でスタミナとパワー要求
JRA ダート重〜不良(含水率 12%–17%+)-1.2秒〜-1.6秒 高速化+0.31〜+0.42 m/s砂が締まり高EP(先行力)の押し切り頻発
香港 (HKJC) 芝Good to Firm(快地 <= 2.65)-0.5秒 高速化+0.16 m/s好位(OP)から速いラップを持続する馬
香港 (HKJC) AWTWet Fast(湿快オールウェザー)-0.9秒 高速化+0.27 m/s逃げ・先行馬(SPD)が圧倒的優位
韓国 (KRA) 砂乾燥(건조・含水率 3%–5%)+1.4秒〜+1.8秒 掛かる-0.25 m/s深い砂で先行勢が消耗しG3F追込(C)台頭
韓国 (KRA) 砂飽和〜不良(含水率 15%–20%+)-1.5秒〜-1.8秒+ 高速化+0.30〜+0.40 m/s1〜4番枠のイン先行馬(SPD)が絶対有利
NAR 大井ダート不良(脚抜き抜群の密閉砂)-1.6秒〜-2.2秒 高速化+0.38 m/s第1コーナーで内ラチを取った先行馬

たとえば韓国のソウル1200mで含水率19%(不良)の日に 1:12.50 で走った馬は、時計だけ見ると1等級レベルに見えますが、GLDスピード指数は -1.6秒 の高速馬場差を差し引くため、実質指数は 64(4等級レベル)と正しく評価されます。一方、含水率4%の乾燥した深い砂で 1:12.60 をマークした GLOBAL HIT クラスの馬にはタフな馬場補正が加算され、高指数が算出されるのです。


4. 距離別着差スケーリング・斤量補正・仮柵コース幾何学

勝ち馬から遅れてゴールした馬の指数を算出する際、すべての距離で「1馬身=同じ指数差」として扱うのは誤りです。新潟競馬場やシャティン競馬場の直線1000m戦における1馬身差と、東京2400mのジャパンカップにおける1馬身差では、総走破エネルギーに対する比率が大きく異なります。GLDスピード指数では距離の逆数べき乗モデルを用いて着差の価値をスケーリングし、さらに負担重量(斤量差)および香港の移動柵(A〜C+3コース:詳細は/ja/stats/track-bias)による距離ロスを補正しています。


5. 実戦での活用ステップ:無料プレビューと出馬表での見方

無料サンプル出馬表プレビュー(/preview)や出馬表&パス一覧(/products)を開くと、各馬の過去走にGLDスピード指数(GLD列)と、直近の指数トレンド・斤量・距離適性を統合した今走の予測指標GLDパワーレイティング(GLD Power Rating)が表示されます。この予測指数を軸に、クラス変動(Par GLD vs. Race Power)、展開配置(展開マップ&EP/LP物理ガイド)、そしてオッズ妙味(GLD Line&馬連・馬単・3連複戦略)を組み合わせることで、感情に左右されないクオンツ予想が完成します。


よくある質問(FAQ)

Q1: JRA東京競馬場のGLDスピード指数と、大井・香港・韓国の指数はそのまま比較できますか?

はい、完全に比較可能です。すべてのGLDスピード指数は過去865,435走の GLD Class Par 統一スケールに正規化されています。たとえば指数 90 は、JRAの3勝クラス、NAR大井のA1級、香港の第2班(Class 2)、韓国の1等級(Class 1)の標準勝ち馬レベルに対応しています。詳細は国際クラス基準値ページ(/ja/stats/class-pars)をご確認ください。

Q2: 前走より走破タイムが速いのに、GLDスピード指数が低く出ることがあるのはなぜですか?

その日の馬場状態(トラックバリアント)が前走以上に高速化していたためです。特に日本のダート(JRAおよび大井などのNAR)や韓国の砂コースでは、雨が降って含水率が上がると基準タイムより 1.2秒〜1.8秒 も速い時計が出ます(/ja/stats/going-impact)。馬場差を差し引くことで、時計トリックに騙されない真の能力が分かります。

Q3: 新馬戦(JRAメイクデビュー)や香港の未出走馬(PPG)はどのように評価されますか?

過去走のスピード指数が存在しない初出走馬については、父系・母系の兄弟馬が記録したGLDスピード指数、道悪・ダート適性、およびOWD(産駒平均勝利距離)を統合したGLDマスター血統評価(0〜100)を事前アンカーとして使用します。

Q4: GLDスピード指数を馬券構築に活かす最も効果的な手順は何ですか?

まず各馬の近走GLDスピード指数と今回のPar GLD(クラス基準値)・予想Race Powerを比較して能力上位馬を絞ります(クラス比較ガイド)。次に前半展開マップ(EP/LP)で展開利のある脚質を確認し、最後にGLD Line(予測オッズ)より実オッズが甘いオーバーレイ馬を軸に馬連・馬単・3連複を構築します(馬券構築ブループリント)。


GLD Racingは独立した競馬データ分析サービスであり、香港ジョッキークラブ(HKJC)、日本中央競馬会(JRA)、地方競馬全国協会(NAR)、韓国馬事会(KRA)とは一切関係ありません。掲載データは情報提供および分析を目的としています。馬券の購入は20歳(または各法域の法定年齢18+)になってから、余裕資金で適度にお楽しみください。